―契約書を作ることが目的になっていませんか?―
婚前契約書のご相談では、
「できるだけ細かく決めておいた方が安心ですよね。」
と言われることがあります。
確かに、
結婚前に二人で話し合い、
約束を形にしておくことには意味があります。
でも私は、
細かく決めれば決めるほど良い契約書になる、とは考えていません。
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結婚後の生活をすべて予想することはできません
結婚前と結婚後では、
生活が変わることがあります。
仕事が変わる。
子どもが生まれる。
収入が変わる。
親の介護が必要になる。
今の二人には想像できないことが、
この先起こるかもしれません。
それを結婚前にすべて予想して、
ルールにしておくことは難しいと思います。
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細かすぎる約束が二人を苦しくすることもあります
例えば、
家事の分担。
生活費の負担。
休日の過ごし方。
ある程度の考え方を決めておくことはできます。
でも、
「必ずこうする。」
「絶対にこうしなければならない。」
と細かく決め過ぎてしまえば、
生活が変わった時に、
その約束自体が負担になることもあります。
私は婚前契約書を、
結婚生活を縛るための書類にはしたくありません。
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むしろ大切なのは、なぜその約束をしたいのかです
婚前契約書を作る時、
私は条文だけを見るのではなく、
「なぜ、これを入れたいのだろう。」
ということも大切にしています。
例えば、
「生活費は毎月○万円」と決めたい。
その背景には、
お金のことで苦労したくない、
という不安があるのかもしれません。
「異性との付き合いについて決めたい。」
その背景には、
過去の経験からくる不安があるかもしれません。
同じ条文でも、
その人が大切にしたいことは違います。
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契約書を作る途中で分かることもあります
婚前契約書を作ろうとすると、
普段なら話さないことまで、
二人で話すことになります。
そこで、
「そんなふうに考えていたんだ。」
と初めて知ることもあります。
逆に、
話してみたら、
「ここは契約書に書かなくても大丈夫だね。」
となることもあります。
私は、
それも婚前契約書を作る意味の一つだと思っています。
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大切なのは「守らせること」だけではありません
契約書ですから、
約束した内容を守ることはもちろん大切です。
しかし、
これから夫婦になる二人です。
何十年先まで、
契約書だけを見ながら生活するわけではありません。
状況が変われば、
また二人で話し合う。
最初から、
その余地を残しておくことも必要だと私は考えています。
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まとめ
婚前契約書を作るなら、
できるだけ多くのことを、
細かく決めなければならない。
私はそうは思っていません。
決めておいた方がよいこと。
二人で確認しておけばよいこと。
将来、状況が変わった時に改めて話し合えばよいこと。
それを分けて考えることも大切です。
婚前契約書を完成させることがゴールではありません。
その先に始まる二人の生活のために、
何を決め、
何を決め過ぎないのか。
そこまで一緒に考えて、
初めてその二人に合った婚前契約書になるのだと思います。
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もし今、
「婚前契約書にはどこまで書けばよいのだろう」
「自分たちが考えている内容でよいのか分からない」
と迷っているのであれば、
最初から条文を決める必要はありません。
まずは、
二人が何を大切にしたいのか。
何に不安を感じているのか。
そこから一緒に整理してみませんか。
※このコラムは、特定の行動や結論を勧めるものではありません。
ご自身の状況を整理するための一つの視点としてお読みください。