「離婚届だけ出せば終わり」ではない理由


― 後から困るケースに共通していること―

離婚を考えている方の中には、
「まずは離婚届を出してしまえばいい」
と考える方もいます。

確かに、離婚届を提出すれば、
法律上の夫婦関係は終了します。

ですが、
離婚届は“関係の終了”を示す書類であって、
生活条件を定める書類ではありません。

ここを見落としたまま離婚すると、
後から困るケースが少なくありません。
 


離婚届では決まらないこと

離婚届には、

  • 養育費の金額

  • 支払方法

  • 面会交流の頻度

  • 財産分与の方法

  • 住宅ローンの負担

といった内容は記載されません。

つまり、
届出だけでは、
生活の具体的な取り決めは何も決まっていない状態になります。
 


「言った・言わない」になりやすい理由

離婚前には、

「毎月◯万円払う」
「子どもには自由に会っていい」
「家はそのまま住んでいい」

といった約束が交わされることがあります。

しかし、それが口約束のままだと、
時間が経つにつれて、

  • そんなことは言っていない

  • 状況が変わった

  • そこまで約束していない

という話になってしまうこともあります。

悪意がある場合もあれば、
単純に記憶や認識の違いという場合もあります。

いずれにしても、
書面がない状態では確認のしようがありません。
 


感情が落ち着いている今だからこそ

離婚直前や直後は、
感情が強く動きやすい時期です。

一方で、
「とにかく早く終わらせたい」
という気持ちが強くなり、
細かな条件を詰めることを後回しにしてしまうこともあります。

ですが、
生活はその後も続いていきます。

だからこそ、
感情だけで終わらせるのではなく、
生活条件を整理し、書面として残す
という視点が重要になります。
 


まとめ

離婚届は、
関係を終わらせるための手続きです。

しかし、
生活を安定させるためには、
条件を明確にしておく必要があります。

書面は、
相手を縛るためだけのものではなく、
後から困らないための確認手段でもあります。

将来の不安を減らすために、
今のうちに整理しておくことができるものもあります。
 



もし今、
「何から考えればいいのかわからない」
「感情と現実がごちゃごちゃしている」
と感じているのであれば、

すぐに結論を出そうとせず、
一度、条件や状況を整理することから始める、
という方法もあります。

話し合いが難しい場合でも、
書面という形で整理する選択肢があることを、
知っておくだけでも構いません。
 

離婚協議書・公正証書作成ページ
 


※このコラムは、特定の行動や結論を勧めるものではありません。
ご自身の状況を整理するための一つの視点としてお読みください。