―「決めること」ばかり考えると、かえって動けなくなることがあります―
「離婚した方がいいのでしょうか。」
夫婦問題の相談では、
この質問をされることがあります。
夫の言動に傷ついている。
このまま一緒にいるのもつらい。
でも、
本当に離婚して後悔しないのか。
子どものこともある。
お金のことも心配。
夫が変わる可能性も捨てきれない。
いろいろ考えれば考えるほど、
分からなくなってしまう。
私はそんな時、
無理に「離婚する・しない」の答えを出すことから始めなくてもいい
と思っています。
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「決められない」のには、理由があります
離婚は、
今日の夕食を何にするかという話ではありません。
住む場所が変わるかもしれない。
生活費も変わる。
子どもの生活も変わる。
親や周囲との関係もある。
そして、
一度は一緒に生きていこうと思った相手です。
簡単に割り切れないのは、
不思議なことではありません。
だから私は、
「まだ決められないんです。」
と言われても、
離婚するか修復するかを急いで選んでもらおうとはしません。
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ただ、何もしないまま悩み続けるのとは違います
ここは大切だと思っています。
「今は決めなくてもいい。」
というのは、
何もしないで何か月も、何年も、
同じところで悩み続けるという意味ではありません。
結論は出せなくても、
できることはあります。
例えば、
今の家計を確認してみる。
自分名義と夫名義の財産を把握する。
夫婦の間で何が起きているのか書き出してみる。
離婚した場合に、
どこで暮らすのか考えてみる。
逆に夫婦を続けるなら、
何が変われば続けられそうなのか考えてみる。
こうしたことは、
離婚を決意しなくてもできます。
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「離婚した場合」を調べることは、離婚を決めることではありません
相談していることを知られたら、
「離婚するつもりなの?」
と思われそうで怖い。
離婚後のお金について調べると、
本当に離婚へ進んでしまう気がする。
そんな感覚を持つ方もいます。
でも、
私は分けて考えてよいと思っています。
選択肢を知ることと、その選択肢を選ぶことは別です。
離婚したら生活はどうなるのか。
別居という方法もあるのか。
今の収入で暮らせるのか。
養育費はどう考えるのか。
知ったうえで、
「やはり今は離婚しない。」
と決めることだってできます。
知らないまま怖がっているより、
分かったことで気持ちが落ち着く場合もあります。
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修復したいなら「夫が変わるか」だけを見ない
反対に、
離婚せず夫婦関係を修復したい場合も同じです。
「夫が変わってくれたら続けたい。」
だけでは、
自分ではどうすることもできません。
相手が変わるかどうかは、
最終的には相手の問題だからです。
それよりも、
自分は何がつらいのか。
これだけは今後やめてほしいことは何か。
どこまでなら受け入れられるのか。
自分自身は何を変えてみようと思うのか。
そういうことなら、
自分で考えることができます。
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私は「離婚した方がいい」と決める人ではありません
長く夫婦問題の相談に関わっていると、
「先生だったら離婚しますか?」
と聞かれることもあります。
でも、
私がその方の代わりに人生を生きることはできません。
同じ出来事が起きても、
何を大切にするかによって答えは違います。
だから、
私が離婚か修復かの答えを出すのではなく、
今起きていることを整理する。
相手のことも考える。
これから考えられる選択肢を知る。
そして、
最後はご本人が「私はこうしたい」と決められるところまで一緒に考える。
それが私の役割だと思っています。
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決める前に動いてみると、見えてくることがあります
頭の中だけで、
「離婚するべきか。」
「我慢するべきか。」
を何度繰り返しても、
答えが出ないことがあります。
そんな時は、
最終的な答えではなく、
今できる小さなことを一つやってみる。
家計を確認する。
自分の気持ちを書いてみる。
一度相談してみる。
夫と話せる状態なら、
一つだけ話してみる。
実際に動いてみると、
それまで見えなかったことが見えてくる場合があります。
人生の大きな決断をしてから動くのではなく、動きながら考えてもいい。
私はそう思っています。
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まとめ
離婚するか。
夫婦を続けるか。
今すぐ決められなくても構いません。
ただ、
決められないから何もできない、
ということでもありません。
今の状況を知る。
選択肢を知る。
自分が何を大切にしたいのか考える。
そして、
今できることを一つやってみる。
その積み重ねの先で、
初めて自分の答えが見えてくることもあります。
「正しい答えを選ぶ」ことより、自分で考えて選んだ答えに納得できること。
私は、夫婦問題ではそれがとても大切だと思っています。
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「離婚した方がいいのか分からない。」
「夫婦関係を修復したい気持ちも残っている。」
そのような段階で相談していただいても構いません。
離婚することを前提にする必要も、
夫婦関係を修復すると決めておく必要もありません。
今の状況を一緒に整理しながら、
あなた自身がこれからどうしたいのか、
そのために今できることから考えていきます。
▶ 夫婦(離婚)カウンセリングについて
※暴力や強い威圧などがあり、安全に話し合える状態ではない場合には、夫婦だけでの話し合いを無理に行わず、安全の確保や専門機関への相談を優先してください。
※このコラムは、特定の行動や結論を勧めるものではありません。
ご自身の状況を整理するための一つの視点としてお読みください。