「私がもう少し我慢すれば、この関係はうまくいくかもしれない」
「ここで耐えれば、家庭は守れるはず」
モラハラの相談を受けていると、
こうした言葉をとてもよく耳にします。
真面目で、責任感が強く、
家族のことを一番に考えてきた方ほど、
この考えに縛られてしまいがちです。
多くの方が誤解しているのは、
「我慢=相手が変わるきっかけになる」という考え方です。
実際には、
我慢を続けることで
・相手の言動がエスカレートする
・境界線がどんどん曖昧になる
・自分の感覚が分からなくなる
といった状態に陥ることが少なくありません。
それは、あなたの努力が足りないからではなく、
モラハラの関係性そのものの問題です。
モラハラを受けていると、
いつの間にか原因を自分に探すようになります。
・怒らせた自分が悪い
・もっと良い妻なら違ったはず
・私が変われば解決するのでは
こうした考えは、
関係を壊さないための“防衛反応”でもあります。
ですが、
一方だけが自分を責め続ける関係は、
心を少しずつ削っていきます。
モラハラの状況で大切なのは、
相手に気に入られようと努力し続けることではありません。
まずは、
・無理に頑張り続けるのをやめる
・相手の機嫌を最優先にしない
・自分の心の状態を基準にする
こうした視点に切り替えていくことが、
自分を守る第一歩になります。
「いい奥さん」をやめることは、
わがままになることではありません。
自分をすり減らさないための、必要な選択です。
ここで誤解してほしくないのは、
「我慢をやめる=すぐに離婚や別居を決める」
という意味ではないということです。
まずは、
「これ以上、同じやり方を続けなくてもいい」
と自分に許可を出すこと。
それだけでも、
気持ちの重さが少し変わることがあります。
モラハラの関係で苦しくなっているとき、
問題は「あなたの我慢が足りないこと」ではありません。
むしろ、
これまで十分すぎるほど頑張ってきた結果、
今のつらさがある場合がほとんどです。
このコラムでは今後も、
「自分を責めてしまう思考」から少し距離を取るための視点を、
丁寧にお伝えしていきます。
※このコラムは、特定の行動や結論を勧めるものではありません。
ご自身の状況を整理するための一つの材料としてお読みください。